銀塩写真プリント(アナログプリント)
当店のこだわりであるC-41フィルム現像と銀塩写真プリンターのこと
銀塩写真のプリント(昔ながらのレンズで焼く方式です)
デジタルプリントとは違い、弊社ではNikon、のレンズで銀塩写真を焼いています
銀塩写真を作る為の現像機・ペーパープロセッサーの環境とヒストリー
●フィルム現像機
QSF430L3・から25年前から使い始め、現在はQSF V30でフィルム現像機で銀塩フィルム処理をしております。
ロールフィルムのほとんどが処理可能です。135・120・220のロールフィルムを処理しています。
QSF V-30というフィルム現像機はケミカルリンスではB&Wのドライウエルのような水洗でフィルムを洗浄しています。弊社のQSF V-30はゆっくりと時間をかけた現像処理するタイプでフィルムを処理し、定期的にコントロールスリップで検査してやさしいフィルム現像に努めております。
それに対して、デジタル機で多いフィルムから仕上げまで15分というような、急速に仕上げるようなフィルム現像は水洗のプロセスを簡略化しC-41RAでは、C-41Bよりも更に強い薬品で迅速処理しています。
フィルム現像に留まらず、デジタルプリンタープロセッサーにおいても同様の簡略化処理に向かっております。
繰り返しになりますが、当店のQSFV-30というフィルム現像機は昔ながらのゆっくり現像するタイプでフィルムを処理しています。中判フィルムを処理できるQSF V-30という現像機はメーカーのサポートも終了しており、今後の中判フィルムの未来に危惧を抱いております.その為にActive Filmをイノベーションをしたという事にも繋がります。
●ペーパープロセッサー(DPE処理現像機)
QSS1501型から始まりQSS1901型・現在は18年前に製造されたQSS2301型アナログ銀塩写真のプリント処理しております。
APSフィルム・35mmフィルム・120・220などのフィルムに直接・露光をする(非デジタル仕上げ)の処理をしております。
QSS2301型は最後の大型銀塩プロセッサーといわれ、30.5cmの紙幅の印画紙が焼けるプロセッサーです。その為の世界に散逸した大判焼きレンズを海外から中古購入しました。ブローニー用ズームレンズ・135用ズームレンズetcの重要なパーツです。
1997年製のQSS2301型を2台と主要パーツを一台と1/2台分確保しております。その理由はメーカーの部品保有期間を過ぎておりますので機械の維持が不可能だからです。古い機械ですから、壊れる事も多々あります。その時点で銀塩写真撤退ということになります。そうならない為に、一台を稼働させあとの1台と1/2台分のパーツは、俗にいう部品取りとして活用しております。2013年は、銀塩写真の過渡期だったようで、今まで続けてこられた銀塩写真を維持されたミニラボが、残念ながら撤退されました。
銀塩写真の事について、毎日質問の電話があります。フィルムの事、銀塩写真全般の事、所有フィルムカメラの自慢の話の事etcです。極力作業中でもお応え致しておりますが、こちらのAsサイトと、以下のBLOGをご確認下さい。アクティブスタジオの銀塩写真に関する情報は20世紀末に書いた情報を更新しております。何とぞよろしくお願い致します。
http://d.hatena.ne.jp/sacano-hidetoshi_19/
世間では、紛らわしい銀塩写真という表現が溢れています。写真学会やフィルムメーカーはスキャナーでデジタルの01信号でデジタル化しているタイプのものは『銀写真』と区別しています。
Web上で銀塩プリントと表記しているものの殆どはスキャナーでフィルムをスキャニングして01の信号化(デジタルデータ)したものをケミカル処理をしているデジタルプリントを銀塩という言い方をしているようです。
未現像フィルムは、現像液で現像処理をするしかありませんので、そこはデジタルは、介在しません。ポイントはフィルム現像が仕上がった後の処理が、アナログプリントか、デジタルの処理かに分かれます。
今ではメーカー系のラボも、フィルムを一旦デジタル化したデータをケミカル処理して、印画紙処理しています。
176年の歴史の延長線上にある銀塩写真はアナログ手法であるかどうかで、ネガフィルムに光を当て印画紙にレンズで焼くというプロセスがアナログという手法です。
判りやすいイメージは黒白写真の引伸し機を想起して下さい。ネガを引伸し機にはさみ、写真用電球で露光するというプロセスです。それが写真に於けるアナログ手法のイメージです。
当店で使用している印画紙は、FUJIFILMの光沢アナログ印画紙を26年間継続して使用しております。
殆どの日本中のラボはデジタルミニラボですので、フィルムで撮ってもスキャナーで仮想データ化しレーザー光線でデジタル印画紙露光されているという事になります。プロラボという所でも製造メーカーから購入し、保守契約を結び5年〜7年の機械メーカーのサポートを受けています。それに伴い機械も新しい機械に更新され薬液処理も更新されてゆきます。という事は、古くなった銀塩写真プリンターをいつまでも持っていませんし、使ってもおりません。
同業者のスタジオからフィルムの銀塩写真プリントの依頼がきます。フィルムユーザーのプロラボだからとか、善意の幻想ではなくもっと冷静に銀塩写真とは何かという事を考えてみる時期に来ていると感じております。
全国でも5店舗くらいのミニラボ機で銀塩写真を焼いているといわれております。機械パーツの故障が原因で早晩終焉を迎えることでしょう。フィルムをアナログでプリントするという古典的手法の文化が、機械が無くなってしまったから終わるというのは残念でなりません。次世代の子供達に銀塩写真の良さや楽しさを繋げる努力が不足していると思います。移り気な国民性なのかもしれませんが、新しい物が善で、切り捨てられる物が悪玉ではなく、世界全体ではアナログが見直されている事も熟慮すべき時期に来ているかと思います。
新聞に紹介
プリント技術の高さが、1995年12月9日(土曜日)のアサヒタウンズで紹介されました。プロからアマチュアまで写真にこだわる人が利用しているお店。確かな技術と独自のアイテムが評判の写真スタジオ。プロカメラマンが実際に焼いてくれるお店で紹介されています。
雑誌に紹介
・2001年『幸福なしごと』自然食通信社刊という本に紹介されています。
・2013年アサヒカメラ10月号にActive Filmの事が紹介されています。
・2013年日本カメラ11月号『銀塩Today』コーナーにて、銀塩写真とActive Filmの事が紹介されています。
・2017年日本カメラ10月号『銀塩Today』コーナーにて、銀塩写真の事が紹介されています。
手袋使用
多くの写真屋ではネガおよびプリントを扱うとき、手袋を使っていません。ネガでもプリントでも指紋がついたまま放置すると、カビが繁殖したり指紋の形通りに跡がつき、時間がたったものはフィルクリーナーなどを使っても取れなくなります。当店ではスタッフ全員が手袋をしてネガや写真を扱っております。