銀塩大好き(写真屋の銀塩写真通信)

フィルムからの銀塩写真とフィルムをデータ化してプリントするデジタルプリントとの比較

2018.9.15

はじめに、私はフィルムをデジタル変換したプリントは、デジタルプリント(デジ焼き)とし、レンズなどで印画紙に直接露光してアナログでケミカル処理をするものを2000年以前まで写真店で行われていた伝統的なプリントを銀塩写真という言い方をしています。デジカメがブレイクする前の時代のプリント方法の事です。

フィルム撮影した銀塩写真とフィルムをスキャンするデジタルプリントの違いのきっかけ作りをしてくれたS.S君が今一時帰国しています。

2016年にまだ彼が高校生の時にminolta のレンジファインダーカメラを都内の写真店で購入しました。そこはデジ焼きで、フィルムをスキャンするプリント(99.99%がデジ焼きの写真店)のお店でもあります。

Web上では恰もそれを主流と片付ける人がおりますが、断じて主流・非主流という問題ではありません。脱線して恐縮です。

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ーQSS29型の実像と幻想ー

しかもそのお店はフィルムカメラ修理もやられるお店です。そこの店主がフィルムならある機械が良い!と勧めたデジ焼きのプリンターがQSS29型でした。(其の昔初期のデジタル機の頃レザーが300dpiでこの機械がMLVA方式で400dpiだった為の噂で、フィルムらしさが出るマシンという噂のデジタルプリンター)

S.S君の依頼した29型の同時プリントが仕上がり、焼き増し完成後に銀塩プリンターとの比較を、彼はしたかったのか?焼き増しを持ってこられました。

私はネガを見て夕方で夕陽が綺麗だったよね?と質問して同時プリントのネガを見てビックリポン?(ちょっと古い)

全てのプリントが、現像から任せているのに、シアングリーンに傾いた色調の変な色のベトナム旅行のプリントでした。

そこで同業の写真屋の仕事で、高校生にこれでは気の毒だから無料でプリントしてあげると告げて、そこからの焼き増しのお代を頂きます。と伝へ同時プリントのように各1プリントしてお引き取り頂きました。

以前からバイトもしていない写真部の高校生だということを知っていたので、ネガ現像して、そこからの焼き増しを数枚焼いて帰るというお客様でした。

ある時自身のポートフォーリオ(アルバム)を作る為にベトナムの家族旅行のネガを持ってこられました。たまたま、お店のホームページをリニューアルする時期に差し掛かっておりましたので、ネガをお預かりして知り合いの同業者でノーリツ製のデジ焼き機を持っているところで6PWを焼いてもらいました。

別の茨城の写真部の『てっちゃん』高校生のネガをお借りしてフジ系のデジタルプリンターで4PWをプリントして貰いました。極力第3者の撮影したネガでプリントしたいと思ったからです。

その頃は、デジ機が何dpiという数字のデータでプリントできるという事は知っておりましたが、2社のプリント比較と銀塩写真のガチな勝負という情報がWebにもなかったので、ドキドキでした。費用もかかるし、それで結果も酷いものだったら散々です。

ところが、Mini LabでA3やら4PW・6PWが焼ける銀塩写真店自体が残っていないので、この実験はかってない貴重な実験になるな!

と考えデジ焼きのお店にもその旨をお話しました。そのお店の技術者は私よりもずっとベテランの方にプリントをしてもらい。私も立ち会わさせて頂きました。またその様子を動画で撮影もさせて頂きました。

その動画は銀塩体験でご覧いただけます。またリアルにその比較は、今後開催するであろう『写真屋になってみよう』という写真教室でいち早く確認することができます。銀塩写真とデジ焼きのプリント比較をして頂く予定です。

2000年に銀塩写真プリンターを製造しないと業界団体が決めて18年が経とうとしていて、その間フィルムも少しは進歩しております。種類が減っていて、誠に残念ではありますが最低限は何とか残っています。

iso100とiso1600で撮影したフィルムをQSS23型とQSS29型のデジ焼きプリンターの比較をしたプリントを見比べて貰いましたがその比較の感想は素人の方でもどちらが高精細かは、100%こっちと銀塩写真を指差します。

ウチも当時はノーリツの社員にこれからはQSS29型を入れ替えないかと勧められたりもしましたので、全国的にもまだ残っています。

また米国でも使っているMini Labの写真店がありますから相当売れた筈です。

今回のように大伸ばしで直接比較した事がなかったから、尚更QSS29型の間違った伝説が勝手に一人歩きしたんだと言った方がおられます。

 

ードットパーインチの数値だけではないリアルな写真を自身の目で比較してもらいたいー

Web上ではアナログの写真もデジタル化されてしまえば、それは別物になります。フィルム現像後にデータ化してそのデータを鵜呑みにしてしまう多くのユーザーがいます。

前述のS.Sさんも自身で海外で撮影されたハーフネガがからこんなにも再現性や空気感を出せるんだと驚いていました。

ナチュラ専用カメラも、ISO800を1絞り増感をして、工夫をしたならば、もっと楽しめるでしょう。

手前味噌ですが、中判カメラもアクティブフィルムを使いましたら、今残っている35mmフィルムを活用したならば、それなりの楽しさを享受できます。

ーフィルムカメラを熟知した大人たちが『駄カメラ』として新たなフィルムカメラの価値を見直し活動ー

赤城耕一さんや石井正則さん他のフィルムカメラを熟知した大人たちが『駄カメラ』として新たなフィルムカメラの価値を見直してほしいという活動をしています。

今や残念な事ですが、フィルムカメラはどんどんお隣の国に流出しています。ヤフオクで落札してみましたら、漢字の日本人と同じ名字のお隣の国の人だったり、お隣の国系の企業だったりした経験があり全てオークションでは裏切られています。

電子部品のカメラは部品がなければその時点でアウトになります。壊れる前にフィルムカメラを使い倒してほしいのです。

WebでこのBLOGに画像をUPすることは、前述の意味から言いましても大変空しいのですが、いつか本物の比較を体験してほしいと願っております。

写真の歴史を見れば必然ですが、写真を得る為のものがネガフィルムです。

誤解を恐れずUPしますので比較写真をご覧ください。

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