写真用語辞典
写真用語辞典 た行
写真用語辞典
た行
- 退色
- 銀画像や色素画像などの濃度が低下すること。カラー写真の画像を形成している色素が保存中に変化する場合、光により変化する光退色と、アルバムなどに張って光の影響を受けなくとも変化する暗退色とがある。
- 多階調印画紙
- ブリントに用いる光の波長域を変えることにより、仕上がりの調子をコントロールできる印画紙で、何種もの調子の異なる印画紙をそろえておかなくてもすむ。コントラストと感光波長域の異なる乳剤を混合したり、分光増感波長域でコントラストが変化する分光増感剤を用いてつくられる。
- 多重露光
- 通常、写真感光材料には一度だけの露光を与えて画像を形成させるが、露光を2回以上繰返して同一の感材に与える露光方法をいい、別個の2つ以上の画像を1っの感光材料に生じさせるための露光が多い。この場合はいわゆる副露光(画像露光+均一露光)とは異なる。また感光機構の研究などの目的で、均一露光を繰返して与える場合にも多重露光という。
- 単玉
- 1枚のレンズ、または2枚以上のレンズをすべて張合わせて単体(1群)にしたレンズ。
- タングステンタイプ
- 電灯光およびそれに近似した色温度の照明下で撮影した際に、最良のカラーバランスが得られるように設計されたカラーフィルムの1型式。写真では3100〜3500K程度をタングステン光というが、その青・緑・赤色成分比と逆の3層感度比を有するように設計されている。コダック社ではタイプAは3400Kにカラーバランスするカラーフィルム、タイプBは3200Kにカラーバランスするカラーフィルム。
- ダイナミックレンジ
- デジタルカメラでいうダイナミックレンジとは、明暗差を表示できる範囲のことで、フィルムでいうラチチエード(寛容度)に似ている。つまり、白が白飛びせずに確認できる眼界レベルから、黒が黒つぶれせずに確認できるレベルまでの範囲。
- タイムラグ
- シャッターボタンを押してから実際にシャッターが稼働する(写真が写る)までの時間のズレのこと。このズレが大きいと、シャッターチャンスを逃しやすい。一般にコンパクトタイプのデジタルカメラで長く、一眼レフタイプになると短くなる。
- 昼光
- 晴天戸外の太陽直射光と空からの散光(青空からの光、雲からの光など。天空光。空光)との混合された光。色温度でいうと5400Kから6000Kくらいになる。
- 昼光色用カラーフィルム
- タングステン光用カラーフィルムに対応するもので、露光による撮影で正しいカラーバランスが得られるよう、3つの層の感度に対して配慮がなされている。このタイブのフィルムをタングステン光で撮影するときは、フィルターにより色温度の補正をしなけれはならない。
- 調色
- 画像銀の一部または全部を、銀化合物に転換するか、銀化合物を含む他の金属または金属化合物にするか、あるいは色素像に置換したり、色素像を加えたりすることによって、印画や透明画の色を変えることを調色という。たとえは、銀画像一硫化銀(硫化調色。黒褐色からセピアの画像)、各種重金属のフェロシアン化物→金属調色、銀画像一金(金調色、青黒色、青色)、染料を用い調色する(染料調色)、などがある。
- 2Bフィルム
- 120サイズフィルム。
- つぶれる
- 写真の調子評価に対する俗語で、一般にシャドー部の階調が不足している状態をいう。特に印画の暗部が高濃度になり、ディテールが見えなくなること。
- つや消しスプレー
- 商品撮影などにおいて、テリのある被写体にかけて光沢を消すためのスプレー。
- つや出し仕上げ
- フェロタイブ乾燥して、表面になめらかなつやを出す光沢印画紙の仕上げ法。
- 定常光
- 連続的に放射が持続している光。自然光や写真電球、ハロゲンランプなどによる光がそれにあたる。
- TTL
- 露出計内蔵カメラにおいて、受光体がカメラ内部にあり、撮影レンズ(the taking lens)を通った光を測光するタイブ。広角・望遠とレンズ交換を行ったとき、撮影レンズの画角に応じて、測光範囲が変化する利点がある。また近接撮影の場合も、レンズ繰出しの補正された露出が測定できる。最近の一眼レフカメラはTTL方式が多く、測定位置により焦点面測光、全面測光、分割測光など種々ある。
- ディテール
- 1)画像を構成するところの細部。2)画像細部の調子再現性、鮮鋭度などの評価そのものをディテールということもある。
- D-76
- イーストマン・コダック社により開発された、代表的な黒自ネガティブフィルム用現像液の処方名。微粒子現像液である。
水(約50℃) 750ml
メトール 2g
無水亜硫酸ナトリウム 100g
ハイドロキノン 5g
ホウ砂 2g
水を加えて全量 1000ml - DPE
- 現像(developing)、焼付け(printing)、引伸し(enlarging)の慣用語。
- DIN感度
- DeutscheIndustrieNorm(ドイツ工業標準)の略。ドイツ国標準機構によって規格された写真乳剤の感度測定法に基づく写真感度。感度はログ目盛りになっている。ASAlOOが21DINになり、DIN感度が3増えると感度は倍になる。最初の設定は1931年であるがその後改訂され、現在DIN4152(1971年)のシート6に規格されている。
- 適性露出
- 写真撮影、あるいは引伸し、密着焼付けなどにおいて、最も良い結果が得られる露出(露光条件)。
- テストチャート
- 解像力、調子、色再現などのテストに用いられる標板。チャートを撮影するもの、チャートを映写するもの、チャートをブリントするものなどがある。
- 手ブレ
- カメラブレのこと。特に手持ち撮影でのカメラブレ。
- 電荷
- 帯電した物体のもつ電気で、正電荷と負電荷との2種があり、同種のものは反発し、異種のものは吸引し合うので、反発力と吸引力で電荷の量と単位を定めている。量記号はQを用い、単位にはクローン(C)を用いる。
- TFTカラー液晶
- トランジスタ1つが液晶1画素をコントロールする方式の高級液晶ディスプレイ。TFT(Thin Film Transistor)とは薄膜状のトランジスタのこと。明るく消費電力が少ないという特徴があり、ほとんどのデジタルカメラに採用されている。
- dpi
- 解像度を示す単位で「dot per inch」=「1インチの長さの中にどれだけの点があるか」を示す。この数値が大きくなると高解像度で滑らかな画像になる。プリントしたりモニタで見るときに意味をなす言葉。
- DPOF
- プリント情報を盛り込んだデジタルカメラ用の記録形式のひとつ。カメラでプリントする画像や枚数、トリミングなどを指定できるので、パソコンを介さずにプリントしたり、プリントサービスに出す際に役立つ。
- TIFF
- 画像データの保存形式のひとつ。拡張子は「.tif」で表される。非圧縮なので画像が劣化する心配がない。いっぽうで、ファイルサイズがJPEGなどに比べ非常に大きくなるので、やや扱いづらいというデメリットもある。
- トリミング
- ネガから必要な画面の構図をきめて作画すること。英米では印画の不要部を切落とすこと。ネガの一部を作画することはクロッピングという。
- トーン
- 色調や、明暗に対する階調度の総称をいう。明部と暗部との中間詞をハーフトーン、白の調子が多い自っばい画面をハイキートーン、黒の調子の多い画面をローキートーン、硬調な画像をハイコントラストトーンなどという。